試論:栄光と終末もしくはその週末 / Week End

田村友一郎[アーティスト
服部浩之[キュレーター]

アーティストの田村友一郎とキュレーターの服部浩之による展覧会。都市/生活/メディア、そして公共を切り口に両者がクロスするかたちを模索しますが、その展開はいまだ不確定です。新たな身体経験を生み出す展覧会のかたちを模索するため、ウェブサイト上でパラレルな対話と思考実験を展開します。

2017年9月23日(土)― 11月26日(日)
@小山市立車屋美術館|栃木県小山市乙女3-10-34 [map]|TEL 0285-41-0968

田村友一郎 | 2017/06/08(木) 03:21

オランダ、アムステルダムの黄金期は17世紀と言われている。1602年の東インド会社の設立によって、ジャワに始まり長崎の出島に至るまで主要な港に商館を置いたオランダはアジアの覇権を握った。その海上帝国の首都が当時のアムステルダム。現在のアムステルダムの端っこにひっそりと佇む博物館には、そのかつての栄光の時代を彷彿させる品々が所狭しと陳列されていた。とりわけ多いのが、荒波をいく帆船を描いた絵画。今日ではベタと言ってもよいその荒波と船というモチーフ。荒波を乗り越えたその先に栄光は待っていると言わんばかりだ。よく見れば確かに荒波の奥に描かれる空は総じて明るい。