田村友一郎 | 2017/06/08(木) 03:21

オランダ、アムステルダムの黄金期は17世紀と言われている。1602年の東インド会社の設立によって、ジャワに始まり長崎の出島に至るまで主要な港に商館を置いたオランダはアジアの覇権を握った。その海上帝国の首都が当時のアムステルダム。現在のアムステルダムの端っこにひっそりと佇む博物館には、そのかつての栄光の時代を彷彿させる品々が所狭しと陳列されていた。とりわけ多いのが、荒波をいく帆船を描いた絵画。今日ではベタと言ってもよいその荒波と船というモチーフ。荒波を乗り越えたその先に栄光は待っていると言わんばかりだ。よく見れば確かに荒波の奥に描かれる空は総じて明るい。